ページ内に動画を埋め込むとSEOに強くなり、Google検索の順位表示がしやすくなるという話を聞いたことがないでしょうか。
確かに動画を上手く活用すれば、Googleからコンテンツの評価を高められる可能性はありますが、その仕組や注意点もしっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、動画のSEO効果と動画SEOのやり方について詳しく解説します。
コンテンツ
従来のSEOはテキストを中心に画像で視覚的なフォローをしながら情報を充実させるというアプローチ方法が一般的でしたが、スマートフォンの普及によるデバイスの進化やインターネットの高速化、
手軽に動画を作成できるサービスの登場といった要因により、SEOにおける動画コンテンツの重要性が高まっています。
しかし、なんとなく「動画を使えば上位表示されやすい」「動画コンテンツにはSEO効果がある」といったことは聞いたことがあっても、具体的なSEO効果やその理由については理解していない方多いかと思います。
まずは動画コンテンツのSEO効果について詳しく見ていきましょう。
最初に結論からお伝えすると、コンテンツ内に動画を埋め込むなどして活用しているページは、そうでないページに比べて、Googleの検索結果で上位表示されやすいことが分かっています。
実はトレンドとなっている動画コンテンツのSEO効果について注目され始めたのは昨日今日の話ではなく、SEO業界では古くから上位表示要因を調べる際には動画コンテンツの有無というのもリサーチ対象の項目となっていました。
そして動画コンテンツは検索順位の向上を始め、SEOにおいて様々なポジティブな効果を発揮するということが分かっていたのです。
実際に今から10年も前にアメリカのForrester Researchという調査会社が行ったリサーチによると、動画を埋め込んでいるページとそうでないページを比較した場合、
前者の方が検索順位の1位を獲得する確率がなんと53倍にもなるという調査結果が出ているほどです。
もちろん2010年当時と現在ではGoogleのアルゴリズムは全くことなるものの、現在でも動画コンテンツの有用性は損なわれておらず、むしろユーザーの視聴環境が整っている分、より重要性は増していると考えられるでしょう。
実際に動画広告の市場が拡大し続けていることからも、ユーザーが動画を好んで視聴するようになっていることがわかります。
SEOにおいて特定の施策とその影響の関係を調べる際には、それが直接的な効果なのか、間接的な効果なのかをしっかりと分けて考えることが重要です。
例えば被リンクによるSEO的な評価向上はGoogleも公式にアナウンスしており、直接的にSEOにポジティブな効果を与えると言ってよいでしょう。
しかし近年SEO効果があるとして注目されているサイテーションはどうでしょうか。
サイテーションとは被リンクという形ではないものの、サイト名や企業名といった固有名詞について、他サイトのコンテンツ内やSNS上などで言及されることを指し、被リンクに近いSEO効果があるとされています。
しかし、ウェブ上での言及が増えることそのものが直接的にSEOにプラスとなるシグナルなのか、あるいはサイテーションが多く生まれるようなサイトは知名度が高く、
そもそも被リンクを獲得しやすいなどの条件が整っていることが上位表示要因になっており、サイテーションの多さ自体が直接的な上位表示要因ではないという意見もあります。
この様に、ある要素がSEO的な評価を底上げする直接的なのか間接的な要因なのかを考えた場合に、動画コンテンツがページ内に存在するというのは、後者になります。
これに関してはGoogleのサーチトレンドアナリストであるゲイリー・イリェーシュが名言しており、ただ動画を埋め込むだけでSEO的な評価が向上することは絶対に無いということです。
つまり、動画が埋め込まれたコンテンツというのは、動画によって記事の内容が分かりやすくなったり、
ユーザーからの関心を引いたりといった何かしらの効果が得られ、そういった間接的な貢献によってSEO的な評価をアップさせているというわけです。
スパム的にユーザーの役に立たないコンテンツを埋め込んでも無意味であり、あくまでその動画がコンテンツにとってプラスになる場合、SEOに強くなるということを理解しておきましょう。
動画はページ内に適切に埋め込むことでコンテンツの質を高め、SEOにもプラスに働きますが、他にもいくつかのメリットが期待できます。
まず1つ目に、動画は情報量が多いため、テキストや画像のみではどうしても伝わりづらい内容であっても、動画ならば伝えることができる場合があります。
例えば商品を実際に使っている様子や、複雑な手順の解説などが挙げられますね。
特に競合が動画を使っていない場合には、うまく活用することでユーザーに対しよりよい体験を提供し、差別化を図ることができるでしょう。
また、動画は視聴のためにある程度時間がかかるため、ユーザーの滞在時間を長くできる傾向があります。
もちろんコンテンツの主旨と無関係な動画を埋め込むといったことは意味がないどころかマイナスに働きかねませんが、有益な動画コンテンツを掲載すれば、サイトの滞在時間を伸ばすことが可能でしょう。
これは上で解説した間接的なSEO効果にも繋がると考えられます。
動画をページ内に掲載する方法としては様々なものが考えられますが、おすすめしたいのはサイトや企業、サービス等のYouTubeチャンネルを開設し、そこにアップロードした動画を埋め込み機能でサイトに埋め込むという方法です。
これによって、新たな集客経路を作ると同時に、SEOにおいてもYouTube動画が直接上位表示してくれる可能性があるためです。
詳しく解説していきます。
まず1つ目のメリットですが、専用のYouTubeチャンネルを開設し、継続的に動画を投稿することでチャンネルが成長すれば、ウェブサイトとは別に、YouTube自体が新しい集客経路になってくれます。
YouTube動画を通じて商品やサービス等を知ったユーザーに対して訴求することができるようになるわけですね。
ウェブマーケティングに取り組む際に、集客経路の分散はリスクヘッジの観点からも非常に重要な課題です。
特にSEOはGoogleの検索アルゴリズムがアップデートされることで、突然収益が0になってしまうリスクも否めません。
Google検索、広告、SNS、YouTube、DMといった様に、集客経路を分散することでウェブを通じた収益の安定化が図れるため、
どうせ動画コンテンツを作成するのであれば、直接サイトに埋め込むのではなく、YouTubeへのアップロードがおすすめです。
Googleにはユニバーサル検索と呼ばれる機能があり、これは検索結果にウェブページ以外の動画や地図、画像といった様々なコンテンツが表示されるというものです。
そしてYouTubeは動画プラットフォームの中で圧倒的にGoogleのユニバーサル検索に表示されやすいため、YouTubeに動画をアップロードすることで、Googleの自然検索経由で動画へのアクセスを稼げる可能性があるのです。
ユニバーサル検索は通常のSEOでは難しいキーワードであってもあっさり上位表示できてしまうといったケースもあるため、検索対策という観点からも、YouTubeへの動画コンテンツの投稿はおすすめです。
ここからは動画SEOの具体的なやり方について見ていきましょう。
動画SEOを行う上でまず前提となるのが、動画が必要なコンテンツを適切に選ぶということです。
例えば「セルフネイルのやり方」というテーマで記事コンテンツを作成する場合、各手順をテキストや画像のみで解説するよりも、動画を使えばより分かりやすく伝えることができるため、動画コンテンツは有効であると考えられますね。
一方で、「今日の天気」について紹介するページであったらどうでしょうか。
多くの人が知りたいのはエリアと時間帯別の天気、気温といった情報になりますが、これをわざわざ動画で解説することにメリットがあるでしょうか?
一目でわかることを容量が重く視聴に時間がかかる動画コンテンツで解説しても、ユーザーにとっては不利益しかありませんよね。
この様に、動画SEOに取り組む際には、まずは自社のサイトのページの中で、動画が必要と思われるものをしっかりと吟味することが重要です。
次に動画を埋め込む際のポイントですが、Googleのクローラーは動画コンテンツ自体の内容を正確には読み取ることができないため、
その動画がどの様なものであるのかを認識する際に、動画周辺のテキスト情報を充実させて上げる必要があります。
例えば先程のセルフネイルの例であれば、動画の前に「セルフネイルの手順を動画で紹介します」といった導入や、
動画内の内容を簡単に箇条書きで文字に起こして上げるといった補足を行うことによって、クローラーから動画を正しく評価してもらうことができます。
最後に、ページ内に動画を埋め込む際には、画像を埋め込む際と同様に、サイトマップに記載するようにしましょう。
これにより、クローラーに動画があるということを認識してもらうことができます。
動画を活用したSEOについえ解説しました。
動画はそれ自体がSEO的な評価を押し上げる要因にはなりませんが、適切にページ内に埋め込むことにより、間接的にGoogleからの評価を高めることができます。
動画SEOに取り組みたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。