動画広告は静止画のバナーに比べて詰め込める情報量が多く、ユーザーの目に留まりやすいことから、高いエンゲージメント率やコンバージョン率が期待できる広告形式で、インスタグラムにおいても動画広告の配信が可能です。
この記事では、インスタの動画広告の種類や課金形態、効果的な出稿方法などについて、わかりやすく解説していきます。
コンテンツ
インスタ動画広告の種類は3つ
インスタグラム内に動画形式で配信される広告をまとめて動画広告と呼んでいますが、インスタ動画広告には配信場所によって次の3つの種類があります。
・フィード広告
・ストーリーズ広告
・発見タブ広告
それぞれの特徴や配信場所、要件等について詳しく見ていきましょう。
フィード広告
フィード広告とはその名の通り、インスタグラムのニュースフィード(タイムライン)内に配信される動画広告のことです。
ニュースフィードはアプリを立ち上げたトップ画面に設定されており、フィード広告は普通の投稿と同様に表示されるため、フォローしている人の投稿を見るというインスタで最も基本的な動作の中でユーザーに対して広告を表示させることができます。
通常の投稿との違いとしては、投稿左上に「広告」と表示されるほか、動画のすぐ下には「詳しくはこちら」といった形でCTAも表れるようになっています。
フィード内に配信される動画広告の要件は次のとおりです。
動画のデータサイズ | 最大4GB |
動画の長さ | 最大120秒 |
キャプションの長さ | 最大2,200文字 |
アスペクト比 | 正方形 1:1 |
横型 1.91:1 | |
縦型 4:5 |
ストーリーズ広告
インスタグラムには24時間で消える短い動画を投稿できるストーリーズという機能があり、ここに配信される動画広告をストーリーズ広告といいます。
ストーリーズは一度再生を始めるとストーリーズ画面を閉じるまで、自動的にフォロー中ユーザーのストーリーズが次々と再生される仕様になっており、ストーリーズ広告はその一連の流れの中に差し込まれる形で動画が再生されます。
そのため、ストーリーズを閲覧しているユーザーに対して必ず広告を表示させることができ、さらに動画は普通のストーリーズと同様、画面いっぱいにフルサイズで表示されるため、動画の長所を最大限生かすことができるメリットがあります。
インスタグラム側でも広告配信においてはストーリーズ広告の活用を最も推奨しており、日本はアクティブユーザーの70%以上が毎日ストーリーズを利用するといわれていることから、インスタ動画広告を配信する際にはぜひ注力したい配信先といえます。
ストーリーズ広告の動画要件は次のとおりです。
ファイル形式 | .mp4、.mov |
動画のデータサイズ | 最大4GB |
動画の長さ | 最大120秒 |
ディメンション | 推奨解像度:1,080×1,920 (最小:600×1,067) |
対応コーデック | 動画:H.264、VP8 音声:AAC、Vorbis |
アスペクト比 | 1:91~4:5 |
発見タブ広告
インスタグラムアプリ下部に表示されている虫メガネのアイコンをタップすると、ユーザーひとりひとりの興味関心をもとにパーソナライズされたおすすめ投稿が表示される発見タブが開かれ、ここに配信される動画広告を発見タブ広告と呼びます。
発見タブ広告は直接発見タブ内に配信されるわけではありません。
発見タブ内の投稿をタップして開かれる画面は、下にスクロールする形で類似する投稿が表示されるようになっており、その中に紛れる形で動画広告が配信されます。
インスタグラムは拡散機能が充実していないため、ユーザーはフォローしているユーザー以外の投稿を見たい場合には、発見タブ、もしくはハッシュタグ検索を利用します。
そのため、発見タブを見ているユーザーというのは、能動的にコンテンツを探している状態にあるため、投稿に対する関心が強くなっていることから、動画広告も興味を持ってもらいやすいというメリットがあります。
なお、発見タブ広告の要件やフォーマットは、フィード広告と同様です。
インスタ動画広告の課金形態と費用の目安
続いて、インスタ動画広告の費用周りについて見ていきましょう。
まずは課金形態の種類について解説します。
課金形態
インスタ動画広告の課金形態は全部で4種類です。
わかりやすく表にまとめて見ていきましょう。
CPC課金 | クリック課金とも呼ばれます。 動画広告が1回クリックされる毎に広告費が発生します。 |
CPM課金 | インプレッション課金とも呼ばれます。 広告が表示される回数によって費用が発生し、インスタグラムの場合には1000インプレッション毎に課金されます。 |
CPV課金 | 基本的には動画広告でのみ利用できる課金形態で、動画の再生回数に応じて広告費が発生します。 何を持って1再生とするかはサービスによって異なり、インスタグラムの場合には10秒以上の視聴、もしくは10秒未満の動画の場合には2秒以上の継続再生で広告費が発生します。 |
CPI課金 | 動画広告を経由してアプリがインストールされる度に広告費が発生します。 |
インスタグラム動画広告の課金形態は、母体であるFacebook広告と共通ですね。
どの課金形態が適用されるかは、広告マネージャで広告を作成する際に、自動的に決定されます。
費用の目安
動画広告の費用は当然配信する頻度や設定する予算、広告の内容などによって大きく変わるため、一概に費用の目安を言うことはできません。
しかし、インスタグラムの動画広告はFacebookと同じ課金方法となっているため、1日毎の予算を最低100円から決めることができるため、極端な話1日100円の予算で広告運用を行うこともできます。
投下する費用と得られるリターンのバランスを見ながら予算の設定を行うと良いでしょう。
インスタ動画広告を効果的に配信するポイント
インスタ動画広告を配信する際には、いくつかのポイントを押さえることで、広告の効果を高めることができます。
適切なターゲティングや広告自体の質など、全ての広告配信において重要な要素ではなく、インスタの動画広告ならではのポイントを4つ紹介します。
配信する場所にアスペクト比を合わせる
1つ目のポイントは、動画広告の配信場所に合わせ、最適な動画のアスペクト比を使い分けるということです。
各配信先別の要件で紹介しましたが、フィード広告と発見タブ広告1:1、1:91、4:5の3種類、ストーリーズ広告は1:91~4:5のアスペクト比で配信が可能ですが、
実はフォーマットに則っていれば何でもOKというわけではなく、アスペクト比によってユーザーのエンゲージメント率が変わってくることがわかっています。
フィード広告と発見タブ広告の場合におすすめのアスペクト比は1:1の正方形です。
縦にスクロールする形で投稿と広告が並ぶフィード広告・発見タブ広告においては、正方形の動画が最もいいね!やクリックといったエンゲージメントを獲得しやすいとされています。
一方で、ストーリーズ広告の場合には縦型のフルスクリーン動画が最も好ましいとされます。
ストーリーズの再生画面はフィードや発見タブとは異なり、スマホの画面いっぱいを使って動画や画像が表示されるため、縦型動画にすることで、動画広告をスマホのディスプレイ全体に大画面で表示させることができるためです。
動画は15秒以内にまとめる
2つ目のポイントは短い尺で簡潔に主旨を伝えるため、動画を15秒以内に収めることです。
インスタの動画広告は最長で120秒まで投稿することができますが、インスタでは長時間の動画がじっくりと見られることはあまりありません。
無駄に尺が長い動画広告は本題に入る前に離脱されてしまい、伝えたいことを伝えられなかったり、購入や資料請求といった訴求に入る前に離脱されてしまったりするリスクが高まります。
そのため、広告効果を高めるためには動画全体を15秒以内のコンパクトなものにし、できるだけ動画の冒頭からターゲットユーザーの心を掴み、すぐに訴求に入る構成にするようにしてください。
音声なしでも内容が分かる様な工夫をする
3つ目のポイントは、動画の音声をオフにしていても内容が分かるようにすることです。
インスタを利用するユーザーは、通勤通学の移動中や、外出先でのスキマ時間などにアプリを閲覧することも多いため、音声をオフの状態で動画を閲覧するシチュエーションも多くなります。
そのため、音声ありきの動画広告は内容が伝わらずに離脱されたり飛ばされたりしてしまう可能性があるため、字幕を入れる、視覚情報のみで内容が分かるようにするといった工夫をすることが重要です。
投稿コンテンツと同じくらい映える動画を作成する
4つ目のポイントは、動画広告自体を人気の投稿に負けないくらい見栄えの良いものにするということです。
インスタ映えという言葉が象徴するように、インスタにおいてコンテンツが見られるかどうかは見栄えの良さが大きく影響し、それは動画広告であっても同様です。
画質を綺麗にするのはもちろん、ターゲットユーザーが好むテイストに合わせてフィルタやエフェクトなどの加工も行い、見栄えの良い動画を作成すると良いでしょう。
インスタ動画広告の配信方法
最後に、インスタ動画広告の設定方法を解説します。
インスタの広告を出稿するための大まかな流れは次のとおりです。
- Facebookページとインスタグラムのアカウントをリンクさせる
- 広告アカウントを作成し、キャンペーンの目的を設定する
- 広告セットを設定し、オーディエンス(ターゲット)、配信場所、予算・掲載期間を設定する
- 広告のクリエイティブを設定する
- 支払い設定を行う
この中で動画広告に関する内容は、③の広告セットと④のクリエイティブの設定に関する部分です。
広告セットの設定の際に、「配置」という項目でどこに広告を配信するかを指定することができます。
デフォルトでは自動配置になっており、予算内で広告効果を最大化するために配信先を自動で選択してくれます。
基本的には自動配置を設定しておけば、動画広告も配信されます。
また、配置において「配置を編集」を選択すると、動画を配信するプラットフォームと、プラットフォーム内の詳細な場所を指定することもできるため、
ここでインスタグラムのフィード、ストーリーズ、発見タブを指定することでも動画広告を配信することが可能です。
続いてクリエイティブの設定では、カルーセル、シングル画像、スライドショーなど広告形式の選択が求められるため、
ここで「1件の動画」を選択して配信したい動画広告のクリエイティブを指定し、見出しやCTA、テキストの設定を行いましょう。
あとは通常どおりインスタの広告配信を行えば、動画広告が出稿されます。
まとめ
インスタ動画広告の、種類や配信先、効果的な出稿方法などについて詳しく解説しました。
動画は画像以上にユーザーからのエンゲージメントを獲得しやすく、使い方次第で高い費用対効果を得ることが可能です。
ぜひこの記事を参考に、インスタの動画広告を活用してみてください。