近年では動画コンテンツを活用したマーケティングが注目を集めていますが、一体どの様なメリットがあるのでしょうか?
この記事では動画マーケティングならではのメリットと活用方法、取り組む上での課題とその解決方法を解説します。
コンテンツ
動画マーケティングとは?
動画マーケティングとは、その名の通り動画コンテンツを用いて商品やサービスを利用してもらったり、企業やブランドの知名度を広げたりするマーケティング手法のことです。
これまでコンテンツマーケティングといえば記事や画像コンテンツが中心でしたが、インターネットの通信速度や利用するデバイスが進化したことにより、スマホ一つで手軽に動画コンテンツを楽しめるようになったことから、動画コンテンツは人々にとって非常に身近なものになりました。
そしてテキストや画像では伝えられない情報も動画であれば伝えやすいことから、効果的なマーケティング手法のひとつとして注目が集まっているのです。
実施その様な傾向を裏付けるデータとして、動画広告の市場規模は2017年の1,374億円から、2018年には1,843億円、2019年には2,312億円とすさまじいスピードで拡大しており、2024年には約5,000億円規模の市場に成長するという予測が立てられているほどです。
動画マーケティングの3つのメリット
非常に注目度の高いマーケティング手法である動画マーケティングですが、具体的にどの様なメリットが期待できるのでしょうか。
動画マーケティングならではのメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 訴求力の高さ
- コンテンツの拡散性
- SEO上の効果
一つずつ解説していきます。
訴求力が高い
1つ目に、動画コンテンツはテキストや画像よりもより訴求力を高めやすい傾向があります。
3つのコンテンツが持つ情報量を比べた場合に、多い順に動画>画像>テキストとなります。
例えば、あるコスメについての魅力を伝える時に、テキストのみで「発色が綺麗」といった情報を訴求したとしても、発色の傾向はビビッドなのかナチュラルなのかといった細かいニュアンスを伝えるのには限界があります。
しかし動画コンテンツで実際にそのコスメを使ってメイクを行う様子を見てもらえば、発色の傾向はもちろん使い勝手や肌なじみの良さ、仕上がりのイメージなど、非常に多くの情報量を伝えることができるでしょう。
一例としてコスメを参考にお伝えしましたが、動画コンテンツであればこの様に、視覚的なアプローチでより多くの情報をユーザーに伝えることができるため、コンテンツの訴求力が非常に高いというメリットを持つのです。
コンテンツが拡散されやすい
動画コンテンツの2つ目のメリットは、コンテンツが拡散されやすいという点です。
訴求力の高さとも関連することなのですが、動画コンテンツはユーザーの目に止まりやすい上に、多くの情報を伝えることができるため、面白く魅力的だと思ってもらいやすく、これによってSNS上などで拡散されやすいという傾向があります。
実際に、同じSNS上で動画コンテンツがシェアされ、バズっているのを見かけることは日常茶飯事なのではないでしょうか。
さらに、例えばTwitter上でInstagramやYouTubeの動画コンテンツが拡散されていたり、YouTubeにアップされたTikTokのまとめ動画が大きな再生数を稼いでいたりすることも珍しくありません。
記事コンテンツがテキスト情報を中心とするTwitter上で拡散されたり、多くのはてなブックマークを集めてシェアされたりすることはありますが、ここまで間口広く拡散されることはあまりありませんよね。
拡散性の高さから多くのユーザーの目に触れ、想定以上の広告効果を生み出す可能性があるというは、動画コンテンツならではの強みの1つといえるでしょう。
SEO的な効果も期待できる
動画コンテンツといえばSNSやYouTubeというイメージが強いかもしれませんが、ウェブサイト内に動画コンテンツを設置することで、SEO的にポジティブな評価を獲得することにつながるケースもあります。
例えば解説系の記事であれば、テキストではイメージしづらい部分を実践する動画を記事内に設置することは、ユーザーニーズを満たし、また競合との差別化にもつながります。
実際、ユーザーのコンテンツ内での滞在時間も長くなり、また、説明がわかりにくくブラウザバックして離脱してしまうといったリスクも抑えることができるでしょう。
注意点としては、Googleのクローラーは動画コンテンツの中身までクローリングすることはできないため、動画を埋め込む際には周辺にテキストで補足情報も添えておくことをおすすめします。
また、最近ではGoogleの検索結果上部を、YouTubeを始めとする動画サイトや他のSNSにアップロードされた動画コンテンツが占める場合もあります。
これはやはり、Googleが記事コンテンツではなく、動画コンテンツの方がよりユーザーの検索意図に近いと判断するクエリがあるということを端的にあらわしており、SEOに注力したい企業にとっても、動画マーケティングは相乗効果を期待できる手法といえるでしょう。
動画マーケティングの活用方法
動画マーケティングならではの強みが分かったところで、具体的にどの様に活用すればよいのかを見ていきます。
動画マーケティングの代表的な活用方法として、次の3つが挙げられます。
- 認知拡大
- ブランディング
- 販売促進
1つずつ見ていきましょう。
認知拡大
動画コンテンツを活用したマーケティングの目的の1つとして、商品やサービス、ブランドや企業等をより多くの人々に知ってもらう、認知拡大が挙げられます。
ユーザーにとって有益なコンテンツや、ユーザーに面白いと感じてもらえるコンテンツを発信することで接点を作り、認知度を拡大することはコンテンツマーケティングの定番手法ですが、動画コンテンツの場合は拡散性の高さ、注目されやすさ、目に触れる機会の多さという点で、特に認知拡大と相性が良いと考えられます。
拡散性についてはメリットのところでお伝えしたとおりです。
動画コンテンツはプラットフォームをまたいでバズるほどの拡散力を持っています。
そして注目のされやすさですが、例えばTwitterやFacebookのタイムラインにテキストのみの投稿をするよりも、動画コンテンツを投稿した方がユーザーの反応は明らかに良いということが分かっています。
最近では画像がメインのSNSであるInstagramでの、動画コンテンツはより注目されやすいことから、積極的に投稿され、人気の投稿にも表示されやすい傾向があるため、情報量が増加傾向にあるインターネット上でも、動画コンテンツはより多くのユーザーの目に止まる可能性が高く、認知拡大に貢献してくれるといえるでしょう。
そして動画コンテンツは様々なプラットフォームに投稿したり、広告配信できるという点も認知拡大におけりメリットとなります。
ブランディング
マーケティングにおける動画コンテンツの2つ目の活用目的として、ブランディングがあります。
動画コンテンツはより多くの情報量を伝えることができるのは既にお伝えした通りですが、これはブランディングを行う上でも一役買ってくれる長所となります。
ブランディングを行う上で重要なのは、企業やブランド、商品等について共感を得て、好きになってもらう、ファンになってもらうことがポイントとなります。
そのためには例えばただ単に商品の長所や強み、特徴を伝えるだけでなく、その背景にあるストーリーまで知ってもらい、共感してもらえるようなコンテンツを作成することで、ブランディングを行うことができるでしょう。
テレビCMなどでも、商品の訴求をするだけではなく、企業や商品ごとにどんなイメージを持ってもらいたいかを考えた上で、世界観やストーリーを作り込んだ動画を作成していますが、そういったものをイメージすればわかりやすいかもしれません。
商品販売・サービス利用促進
動画マーケティングのおすすめの活用方法3つ目は、商品の購入やサービスの利用を促進することです。
動画コンテンツは視覚的な情報から商品やサービスの魅力を詳細に伝えることができ、さらに実際の利用シーンを見せることでユーザーがその商品やサービスを自分が使うところを思い浮かべ、購入意欲を促進することができます。
実際に動画コンテンツによる訴求はコンバージョン率が高く出やすい傾向があり、また最近ではユーザーが自らYouTubeやSNS上で商品の利用動画を探すといったユーザー行動も増加傾向にあるといわれています。
動画マーケティングは商品の販売やサービスの利用を訴求する上でも有用といえるでしょう。
動画マーケティングに取り組む上での課題
動画マーケティングは他のマーケティング手法には無い様々な強みを持つ一方で、取り組む上で、次の2点が課題となりやすい傾向があります。
- ノウハウとスキル
- コスト
具体的にどういうことか、対策と合わせて解説していきます。
動画制作のノウハウとスキルがない
動画を制作するためには、動画の企画から撮影、編集など、他のコンテンツとは異なる、独自のノウハウとスキルが必要になりますが、多くの企業は動画制作を専門的に行っているわけではないため、自社で高品質な動画を作ることが難しい場合が多いでしょう。
1つ目の対策としては、動画編集ソフトや制作ツールを使用して、自社で作るといった方法です。
最近ではスマートフォンで撮影した動画を元に、比較的簡単に動画を編集できるツールなども登場しています。
YouTuberも動画制作のブロではありませんが、撮影から編集まで全て自分で行っているという人も少なくありません。
高品質なプロモーション動画などを作成するのは難しいですが、例えばSNS等で商品の実践動画を投稿するといった目的であれば、充分な場合もあります。
2つ目は、動画編集・制作サービスを利用するという方法です。
これは最近増えているもので、最低限の素材を自社で用意すれば、既存のテンプレートから自動で動画化してくれるといったサービスです。
広告配信用に一定のクオリティの動画をコストを抑えて手軽に作りたいといった場合におすすめの選択肢です。
最後の方法は、動画制作会社に依頼するというものです。
やはり企業のPRやブランディング目的など、高品質な動画を作成するためには、専門のノウハウを持つ業者に外注するしかありません。
コストはかかるものの、実力のある業者であれば、マーケティングプランの立案から企画、キャスティングといった部分まで対応してくれる場合もあります。
動画マーケティングの目的に応じ、予算や任せたい業務範囲なども考慮しながら業者選定を行うことが重要です。
動画制作のコストがかかる
2つ目の課題は、予算の問題です。
動画コンテンツは記事コンテンツや画像コンテンツ等に比べ、どうしても1本あたりの制作コストが大きくなります。
そもそも動画を1本作成するために必要な工程が企画、撮影、編集と多く、関わるスタッフも多いため人件費もかさみ、さらに人物をキャスティングする場合には出演料等も上乗せされてくるため、動画制作にかかる制作コストが大きくなってしまうことは、避けるのが難しいのです。
動画マーケティングに取り組む際には、目的を明確にした上で、投下する予算に見合ったリターンを得られるかどうかをしっかり検討する必要があるでしょう。
まとめ
動画マーケティングのメリットと活用方法、取り組む上での課題について解説しました。
動画制作のノウハウが社内にないことや、コストがかかりやすいといった点は課題になりやすいものの、動画マーケティングは他には無い強みとメリットを持つマーケティング手法です。
動画マーケティングに取り組む際には、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。